novtanの日常

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一向に完成されないつけ麺という食べ物

近所に新しいラーメン屋ができた。メニュー構成からするとつけ麺が売り物らしいので食べてみる。濃厚豚骨鳥出汁魚介トリプルスープ?

よく締めた冷たいつけ麺を熱いスープで食すというスタイルはなかなか面白い食べ物なんだけど、そのギャップを楽しめるのは最初の何口かでしかなく、しかしつけ麺は麺増量が無料のところが多いため余計にそれがしんどくなる。あつもりという選択肢がある店もあるが個人的にはいまいち。また、つけ汁を温めなおしてくれる店もあるけれども、一口目の感動は戻ってこないのである。

これまたそれほど遠くないところに「無極」というつけ麺の極北に到達したと思われる店がある。濃いのである。あほみたいに濃くて、麺ではなくつけ汁でおなかがいっぱいになるという異次元体験が可能だ(ちなみに、同じくあほみたいに濃いラーメンである「無鉄砲」という店のつけ麺ブランドだ)。

甘酸っぱいつけ汁からスタートしてここまでたどり着いてしまい、もはやつけ麺という食物は濃いつけ汁というアイデンティティをこれ以上伸ばせる見込みがなくなったので、汁の複雑さにシフトせざるを得ない。しかし、汁が複雑な要素をはらめばはらむほど、温度の変化による味の劣化に影響を大きく受ける。

つけ麺は本質的には矛盾した食い物なのだ。その一瞬の楽しみのために、新しい店を探し続けるけれども、継続していきたくなる店はそういうわけで少ないのだった。