novtanの日常

ネタです。ネタなんです。マジレスする人は撲滅すべき敵です。だからネタだってば!

ハイボールの濃度

ウイスキーが好きなんである。もっとも愛する酒である。
ウイスキーと言ったらパーティーで出て来る水割りの印象が強い人が多いんじゃないかと思うんだけど、あれ美味しくないよね。僕が学生の頃は洋酒も安くなってたから当時はバランタインのファイネストとか、シーバスのレッドシールとか、ジョニ黒とかが溢れてた。もちろん、ジャズメンの嗜みとして「ストレート、ノー、チェイサー」なんだけど、僕はどうも好きではなかったし、うまく酔えなかった。バーボン?それお酒?
そもそも、僕の父方の祖父の命を縮めたのは毎日一本ペースで消費されていたサントリーオールドであった。ウイスキーって怖い。

そういう印象を変えたのは、サークルで関西にアゴアシ付きの演奏旅行に行った時のお土産。シングルトン。この酒も今はいろんな事情で当時のものとは違う中身だけどね。とにかく、「あ、ウイスキーってこう言うお酒なんだ」とようやくその時わかった。染み渡る癒しの感覚。これが命の水か。それから僕のシングルモルトの世界への旅は始まった。その話はまた別の機会に。

どんな世界でもそうだ。素晴らしいものによって目を開かされたあとは、今まで単なる有象無象に見えたものが違ったものに見えてくる。若いブレンデッドやバーボンを水割りにして飲むこともまた一つの楽しみであり、熟成されたモルトをじっくりと味わうこともまた人生における至福の一つである。

一昔前のことを思うと信じられないことだけど、稀代のハイボールブームである。どこに飲みに行ってもハイボールはかなりの面積でメニューを飾っている。ビールのあとはずっとハイボールの人も増えた。でもね、ちょっとおじさん思うんですよ。そのハイボール、美味しい?
水割りは繊細なカクテルであり、ハイボールもしかり。オシャレでそれなりのお値段のお店に行っても、ワタミに行っても、ハイボールって適当に作られてる。いや、きっちりとまずく作られているのかもしれない。とにかく、これだけハイボールが市民権を取り戻した(といってみたけど昔のことは知らない)時代であっても、それは「サワーの代わり」にしかなっていない。なんともったいないことだ。
そんなことを考えながら、毎晩ウイスキーとソーダと氷の適切な割合を突き止めるべく、研究に励むのであった。