うーんとね、表現者かどうかはまああんまり関係ない。「自分が好きなXXさん」が自分の意見と対立する側に立つってのも別にしょうがないことだと思う。幻滅するってこともその事自体はトリガーにはすべきではないと思う。
問題は、「あれ？こいつ馬鹿なの？」と思うレベルの発言を目にしてしまった時。ロジカルに破綻しているとか典型的な差別であるとか（表現者たるもの時として挑戦しなければならないことはあるかもしれないけどそれはあくまで表現者としてのスタンスの範囲であって、通常の個人としての発言がある線を踏み越えてはならないと思ったりもする）。
それでもなお、個に対して幻滅するだけであって作品の評価は別ではある。
おめーもうそういうの言うなよ、と思う気持ちはわかる。でも、少なくとも個に幻滅するレベルの発言を目にした後においてはもはやその後のアウトプットはフィルターなしでは見ることはできないだろうね。
まあね、「個人の感想です」という言葉ですらそれを公に発信した時点でタダの感想ではすまされないというのが世の中というもので、ウェブという便利なツールが有るからといってなぜチラシの裏に書かず、なぜ家庭だけで話さず、なぜ世の中に発信するのか、ということについて無頓着な人が多いという事実と、それを個人の感想で済まそうとする状況判断のできない不思議ということが今の状況を招いている。
だから、アレな発言か否かということを判断するのはこういった話については非常に重要な問題であり、単に自分とは意見が違うことをアレな発言とみなすような輩が何を言っても説得力はないと思う。
今時点の話で言うと、集団的自衛権の問題は色々な立場を取り得る話でどちらかが一方的に正しいという話ではない（何を重要視するかという点から正しさが導き出されるだけで前提の立場が違えば結論は違ってもおかしくない）し、自分のスタンスを明らかにしつつ政治的な影響力を行使することが個々に許されている話であるし、算数の答えが正しい正しくないというレベルの話ではないわけだからさあ。幻滅したって言っている側のほうが極めて政治的発言をしているだけだと思うよ。
そういう意味で、有名人（表現者に限らず）は積極的に発言していいと思うし、ただ、バカとみなされるレベルの発言をしないように注意する必要はあるだろうし、それが判断できないなら無理に発言することはないということに過ぎないよね。
