簡単な話ではないけれども、予防接種にかぎらず、公的機関が発する情報に反した不確かな情報を信じて義務付けられている行為や推奨される行為を怠るというのは虐待に類するものであるとは思う。
明確に他者に害を及ぼさない範囲（十分に周りが予防接種をしていて一人感染して死んだ所でパンデミックが起こるわけでもない状態）であえて思想信条に殉ずることを子供に強制する（ということをやっていると思う）ことがどこまでNGかはなんとも言えない。「良かれと思ってやる」範囲は家庭の問題ではある。無論、機序が明らかになっているようなもの（例えばアレルギー）に対して良かれと思って無理に禁忌を犯すのは単なる虐待ではある。
問題は、なぜそれを行うのかというのが単なる無知ではなく、十分に知識がありながら信じたいものを信じた結果間違った意見を採用してしまうところ。むしろ宗教上の理由で等の方がよっぽどまともであると思う。特に理由が陰謀論であった時のいたたまれなさと言ったらこちらの受ける精神的ダメージに対して慰謝料を要求したいくらいである。
これは、信じる親の問題でもあるけれど、誤った情報を発信し続けるトンデモさんやメディアの問題のほうが大きいとは思う。
まあ、僕らの世代としては子供がまともに育つのは結果論くらいの原体験があるにはある。そういう時代に比べれば今は僕らの頃は事故で片付けられていたレベルの話も未然に防げるものが多くなっているだろうし、その分親としても「わかっていること」に逆らうリスクは増大しているわけで、責任の範囲は広がっている。だから大変というわけではなく、社会の指導のとおりにやっていれば大抵の責任は逃れられるわけだから、尚更なぜ一般的な行動の逆張りをするのか僕にはさっぱりわからないんだけど、これもまた「真実を知っちゃってる自分病」の犠牲者なのであろう。
