そりゃね、重度の障害者というのは経済的な点では生産性をほとんど持たない存在なのかもしれない（もちろん、それにまつわる諸々で生み出されているものはあるとして）。でも、（いわゆる健常者としての立場で傲慢な考え方なのかもしれないけど）人間が、社会が、どうあるべきかを考えるための重要な存在だよね。
何より本人が「生きたい」と思っているのであればそれが仮に周囲に負担をかけるとしてもそれを分かち合って生きていくことが「不幸せ」なのかどうか。不幸せを分かち合わなければ一手にそれを引き受ける人は死ななければならないんだとしたら、不幸せをわかちあうとともに幸せもわかちあうことができると考えたほうがよっぽど良いよね。自分自身のポテンシャルにおける最大限の幸せを得ることが出来なければ幸せじゃないって思っている人はそう考えないと思うけど。
そういう風に考えた時、例えば「施設に入れるなんて」みたいな発想は本当は出てこないはずではある。障害者に生きる権利があるのだから、障害者の家族にも過度の負担なく生活する権利はあるし、社会がそれを支えなければならないよね。今のところ、すべてが上手く行っているとは思えないし、だからこそこういう不幸な（強い思い込みによる）事件が起きてしまうんだけどね。
