novtanの日常

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Googleが真実判定機関になってはならない

まあこれはちゃんと言っておいたほうが良いかな、と思ったので新年早々のエントリとしてはどうかなと思いつつ書きます。

せめてはっきり言おうではないか. Googleは無能であると - yuko-hirom’s blog

ここに書かれている指摘自体は「まあ知ってた」ではあるものの、冒頭書かれているようなGoogleを叩かなければならない理由はないと思っています。
まずもってグーグル先生がこの手の問題について「プログラム(アルゴリズム)のせいだから仕方がない」と言っているのは聞いたことがないので、つまりこれは周りが勝手にグーグル先生は悪くないと言っているだけではあるんだけど、そもそも「良いとか悪いとか」の範疇にこの問題自体が載ってくることがどうにも違和感しかないわけです。

GoogleはEvilを目指してないけれども結果としてEvilである、と思う人もたくさんいると思っていて、僕もその一人ではあるけれども、こと検索エンジンにおいては全くもってツールでしかなく、あえてそこに文句をつけるとしたらそれが商売になる、ということに付け込まれている「ように見える」ことではあります。が、「ある検索ワードでトップに載る」ということに過剰に価値を見出しているユーザーから金を奪っているというのが本質であり、そこは本来の「検索エンジン」のレイヤーではないですね。まあそういうところを放置しているのがGoogleのEvilたる所以ではありますが、ここは単にイタチごっこの世界であり、投資した金とリターンの関係が変わらないとどうにもならず、Google自身もなんとかしようと常に試みているところではあります。

じゃあ、今回の問題はどこかというと「パクリページ」及び「誤情報ページ」の排除、ということになるでしょう。しかしね、そもそもGoogle八分とかそういうことが忌み嫌われるのはなぜか。それはGoogleが恣意的にWebの世界を縮めることが許されないからですよ。つまり、誤情報はユーザーが(十分なリテラシーを持っていれば)排除出来る一方で、Google八分はWebからそのページの存在を消し去ることに等しい。もし誤情報のほうが正しく、正しいと思われていた情報が間違っていたとしても、それをGoogleに決定された後の世界は正しさが逆転するかもしれない、ということですよ。一方、パクリページについてはリライトされたらお手上げという現状についてはそのうちなんとかなる問題だと思っています。

Googleに善悪の決定を委ねるのは僕としては反対です。ニセ科学や歴史改ざん主義の問題に象徴されるように、専門的には明らかにデマであっても一般ユーザーには判断が難しい問題について、デマと決定し見えなくするということは色んな意味(特に陰謀論的な意味で)で危険だと思うし、1次資料と思われていたもの(論文など)が捏造されていたのが後でわかったりとかそういう問題を考えるとやはり最後は受け取る者自身の手に判断が委ねられるべきと思います。
とはいえGoogleに限らない話ですが検索エンジンには本来イージーフィルタリングモードが必要で、まとめサイトのようなあまりに同一の内容が判で押したように検索結果に表示されるという状況は(ちょっと詳しいだけですぐ排除できるとは言え)ダサい。本質的じゃないとは言ってもこういったところをなんとかできないのかなとは思う。少なくともGoogleの「検索ツール」はぱっと見で初心者が使いづらいし。もうちょっというと、この問題は「検索エンジン」の無能なんではなく、サイトとしてのパッケージングの問題として捉えるべき。

とにかく、「デマをフィルタリングする」なんて機能を検索エンジン自体に持たせることには僕は賛同できないし、一方で低リテラシーユーザーに対してそういった問題をどう回避させるかと言う事は考えなくてはならないと思っています。

そもそも今回の一連の問題はあくまで「ある程度力のある事業者」がデマを撒き散らしていたという問題ですよね。

もし、Googleが真にEvilだったとしたら、「~なサイトは検索結果から見えなくしました」でおしまいだと思う。つまり、ますます人々はGoogleに怯え、ひれ伏し、Googleが望んでいる情報しかWebに存在しなくなる、ということです。現状について改善の余地は沢山ありますが、今こういうGoogleであることがGoogleの無能によるものではなく、Googleが少なくとも検索エンジンとしては能動的にEvilであるとは思っていないからだろうし(もっともLawfulでもないが)、船頭多くして船山に登る覚悟でエンジニアを大量に雇ってなんとかしようという企業でもないでしょう。