novtanの日常

ネタです。ネタなんです。マジレスする人は撲滅すべき敵です。だからネタだってば!

SESを過度に持ち上げるのも違うと思う

前回のエントリでSESのいい悪いについて書いておいてなんですが、流石にこの記事はどうなの、と思ったので少し言及しておこうと思います。

私が18年間勤めたSIerを辞め、SES業界に転職した本当の理由とは

まあ平たく言って、SES業界なるものは基本的にはないです(あるとしたらIT派遣屋さんは自分たちのことをそう思っているかもしれない)。SIerの仕事の契約形態に過ぎないですからね。もっとも、SIerの仕事、である必要もなく、ITに関わる人であれば契約によってSESになることがある、というだけですね。
この、実在かどうかもわからない人物の過去の仕事がなんだったのか、よくわかりませんし、会社の規模がでかければでかいほど「純管理職」的な仕事はあるのだろうなーと思いますが、中堅SIer社員であるところの僕としてはSIerのマネージャーとは仕事を作り、やり遂げること(やり遂げさせること、かもしれないけど)が仕事だと思うし、お客さんの課題を聞き、アーキテクチャを考え、PJT計画に落とし込む、というのはSIerに勤めている上で最も醍醐味を感じる仕事だと思うわけですね。当然だけど、適切な提案をするためにはありとあらゆる技術を知っているに越したことはありませんが、そんなスーパーな人はいないので、社内の然るべき人と調整し、組み立てていくことになります。これも面白い仕事ではありますね。
一番難しいのが、最先端の技術を使って、というやつで、その土地勘が働きづらい部分をどう耕しどう形に持っていくか、これが一番面白い。SIerが取り組む課題はいわゆる事務システムがシステム化され尽くした現代においてはビジネス課題が中心となるので、そういう点も面白いんですよね。多分だけど、SIerにおいては業務周りのエンジニアが今一番面白い世界になってきていると思います(最もそれをできるSIerは現時点では勝ち組なんだと思うけど)。
もちろん、制御系のエンジニアもIoTやクラウド連携を始めとして取り組むべき課題がたくさんあって面白いわけです。

そんな中で、特定のお客さんの特定の業務に張り付いて特定の仕事をする、という特質のあるSESを「第一線のエンジニアでいたい」人が選択するとは到底思えないわけです。SESって仕事自体はとても重要だし、うまくポジショニングできればお客さんとダイレクトに課題を解決するための仕事ができる、という点では確かに良いかもしれない。特にこの後巨大な一括案件がなくなってきたときに、アジャイルでいろいろ作っていくためにお客さん側がちゃんと準備できたらまともなSESの仕事が増えていくとは思うんだよね。でもSIerの醍醐味ってのはそういうミクロに近い世界で実装中心で頑張る、という世界ではなくて、もっとでかい課題に対するソリューションの提案なわけじゃないですか。本当に力があるエンジニアなら、顧客都合に振り回されたりはしません。

SIerで仕事をすることの課題は確かにここに書かれているようなことは多々あると思いますが、SESの仕事に移ってその課題が解決するとはさっぱり思えませんね。今できるレベルの仕事でいきがり続けたい、という人だとSESは向いているのかもしれませんが…