novtanの日常

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エンジニア志望と巨大ITベンダーのアンマッチ感がハンパない

僕も立場上「SIerの仕事は大事だよ」と言い続けてきているんだけど、だからと言ってSIerが正義とも思っていないし、SIerに入って自分を見失ってしまう人がいることもわかる。

内定の前後にいくつかの職種のマッチングを行う機会はあり、自分の希望についてはしっかりと主張したつもりだったけれど、
入社して1週間後に告げられた自分の配属先は、山奥の工場でメインフレームを主とするシステムの開発・保守を行う関連会社への出向だった。

富士通を退職した話

富士通だとメインフレームはもう遺産に近い部分なので流石にこりゃねーよなーってしっかりと意識がある人ほど思うだろうね。メインフレームを経験することは実は結構重要だと思っているんだけど。富士通の中身はあんまり詳しくないので「山奥の工場」がどこだかはわからないんだけど、メインフレームのアーキテクチャ全体を押さえるような仕事はもうあんまりないとは思う。

でも、曲がりなりにも現代のIT企業に入社したつもりなのに、20代そこそこの新卒社員が化石みたいなプラットフォームの世話を押し付けられるなんて想像だにしていなかったし、
綺羅びやかな会社説明の資料の中にそんな説明を見た覚えもなかった。

富士通を退職した話

なんどもしつこいようだけど、メインフレームそのものは化石ではない(特に基盤技術的な意味では)んだけど、富士通はメインフレームの推進は随分前に捨てたからね。世話を押し付けられるという認識は間違ってないように思える(事前にこれがどういう意味を持つかを説明してもらっていないのであれば尚更)。

それからしばらくの間新入社員研修をこなし(富士通に限らず、いわゆる日本的な大企業は研修期間がやたらに長い)、
そろそろ本格的に業務に携わりたいと思っていた矢先、上司に告げられた自分の担当業務はほかでもない、あの20万人月案件だった。

富士通を退職した話

多分、このメインフレームの話とは直接関係なく「人足りねーから誰かよこせ」というリクエストに応えた結果なんだと思う。あの20万人月案件があの20万人月案件ならメインフレーム「そのもの」は富士通のものではないからね。別にあの仕事メインフレームの有識者じゃないと出来ないなんてことはないからね。定義シートからアプリをひねり出すフレームワークを推進した結果、現場が技術者ではなく事務作業者の巣窟になっているのに一次請けだからといってそこに新入社員を放り込むってのは会社としては見識も戦略もなにもないということではある。
誤解がないように言っておくと、SI業務とは本来こういうものではない。SI業務をきちんとやっている結果として、開発工程において作業員がいればなんとかなってしまう形態が可能になる(この案件がそれで上手く行っているかどうかは別の話)わけだし、どっちかというとその作業のレベルに到達するまでがSI業務の本丸であり醍醐味である(言ってみれば、適切に設計ができていればSI業務の開発工程以降の仕事は作業を適切に管理することでしかないのがつまらないところではある)。
で、本来巨大ベンダー企業というのはこういう人をこういうレベル感の現場に放り込むのは「勿体無い」という発想をすべき立場にあるはずなんだけどね。せっかく巨大ベンダー企業に入ったのにね。

まあ残念な話があるとしたら、こういう仕事の延長線上にある世の中を変えていく仕事はベンチャーしか出来ないものや巨大ベンダーにしか出来ないものがたくさんあって、後者の仕事に到達できれば面白かったかもねってところだけど、とは言っても短期的な損失は確かに大きいのかもしれないね。

巨大ベンダーは案外能力はあるんだけど明確なキャリアプランがないほうが向いているのかもしれない。やってみれば面白い仕事もあるし、それがこういった話の積み上げから出来上がっていることを理解すると尚更だったりもするんだけど、今風ではないしね。明確にやりたいことがあればそれが最終的に巨大ベンダーにいないと出来ない仕事であっても案外そういうタイミングでそういう転職ができちゃったりもするわけで。

本当に能力がある人は特定の会社に縛られず仕事を出来るようになってくれるのが業界全体を見たら良いんだと思うんだよね。