novtanの日常

ネタです。ネタなんです。マジレスする人は撲滅すべき敵です。だからネタだってば!

クリーンアップしてもなくならないもの

よく、「こんなにキレイにしたつもりでも実は雑菌がたくさん!」みたいな除菌クリーナーの宣伝があったりするけど、自分の見たくないものを排除して作った世界も多分それで、滅菌できているどころか見えないから安心しちゃってかえって危ないくらいだと思うんだよね。

僕はヘイトスピーチを制限することには消極的に賛成しているんだけど、それはあくまで個人の尊厳を奪う発言を堂々とさせることに自由もへったくれも無かろうと思うからで、実際のところ、人間の心や尊厳というものがもう少し強固なものであり、そういう馬鹿げた発言に乗ってくるようなバカがたくさんいないのであればそんな制限は意味ないので必要ないと思っている。現実には人間はバカが多くて煽動にのせられやすく、きつい言葉を投げかけられる心はそれほど強固ではない。まあこれはヘイトスピーチに限った話ではないし、ヘイトスピーチというものはそれなりに狭い範囲の定義がなされているので別にね、という話でもある。

自分と違う思想を口にする他人を嫌悪する、というのは人として間違っているわけではないけど、違うからと言って排除する、というのは単純には間違っていて、ただ現代人の中にはここだけは守らなければならないだろうという共通認識があり、そこを踏み越えたら排除はやむなし、というのが大体の人の共通認識(トートロジー的だが、こうやって規定していくしかないよねこの手の話は)だと思うので、その線のあっち側にいる人達が攻撃を受ける、というのはわかるんだけど、こっち側にいる人達が「いやそれやったらお前もあっち側じゃない?」みたいなことをやり始める、というのはなんでなんだろうな、と思うことはよくある。多少なりとも言葉の綾みたいなことで揉めることがあるのでそのへんについては寛容に考えるとしても、論理的に筋が通らないことや、人間としての尊厳を奪うことを企図した発言を繰り返すようなことを行っていてこっち側然としているのには驚かざるを得ない。

そもそもこっち側(という認識の仕方自体、かなり傲慢でおかしい、と言われるかもしれないけど)の人の責務はこっち側にいる人をあっち側に追いやったり、あっち側にいる人をこっちに来ないように遠ざけたりすることではなくて、できる限りみんなをこっち側に引っ張りこむことなのではないか、と思っているんだけどね。

この話は越えなきゃいけない壁が大きいにもかかわらず、インターネットという世界で壁を無視して混ざり合っちゃった結果発生している部分も多々あるのであまり単純な話として考えてはいけないんだと思っているけど、いずれにしても人類に必要なのは見たくないものを目の前から片付けることではなくて、見たくないものを見ても平気でいられる強靭なメンタルなんだろうし、それはなかなか難しい話ではあるから、フィルタリング能力を上げるところからスタートだよね。