前回までのあらすじ
「Tカードはお持ちですか?」「(持ってねーよ)いいえ」という不毛なやり取りを幾千回も繰り返してきた戦場。一度は「Tカードをお持ちでしたらお出しください」という和平交渉が行われたものの、敵軍の意思統一が取れず決裂、結局「友人の結婚式の二次会を盛り上げるためのBGMをTSUTAYAで借りる」というアクシデントによりTカードをゲットしたことにより、この戦いは終わりを告げた。
しかし、新たな刺客が現れたのであった…
新たなる刺客
「端数分のポイント使用もできますが?」
いつものようにTポイントカードを差し出した僕の耳に飛び込んできた聞きなれない言葉。こいつは何を言っているんだ?
そもそも、コンビニの会計において端数とはどの桁のことを言うのだろうか。10円台?99円は端数といえるのか。結構なものが買えるぞ。1円台?会計が315円だったら15円は端数と思うよな…
「端数分の使用」という言葉は罠に違いない。貯まるばかりで一向に使ってもらえないポイントを引当金に積んでいくのが負担になったカード側の窮余の一策に違いない。きっと、1000円以内は端数にされるに決まっている。
ああしかし、むやみに疑うのは良くない。長らく続いた平和な世界を壊してはいけない。
「端数っていくらのことですか?」と聞きたい。ああでも後ろに人が並んでいる…
決然と「言いです」と言い放ち、ひとときの平和は終わりを告げたのだった。
また、Tカードとの長い戦いが始まる。
続く。