なんでもキャンセル界隈ってつけときゃ今風で話題になるだろうというのが見え見えな話に乗っかるのもあれなんですが。
この記事の中での会話は非常に作り物っぽいんだけどさ、とはいえ残業は「嫌なもの」じゃなくて「恥ずべき害悪」と言わんばかりに忌み嫌っている人がいるのも事実だと思うんだよね。そりゃ残業なんて好きな人はいないよ。仕事中毒の人には残業という概念はないしさ(それはそれでどうか。
まあね、身も蓋もない事を言うと残業というのは会社と従業員双方で課題を有耶無耶にする代わりに時間にお金を払うよというトレードの話なのよ。いや、これは一般論でもなんでもなく、僕の考える残業の本質ってだけなんだけど。会社の側からすると、仕事量の妥当性と従業員の待遇に対する妥当性をともに曖昧にすることができる。従業員の側はそれの裏返しでしかない。純粋に生産性を軸に考えるとさ、もっと働かなくていいけど給料もそこまでね、とか、時間内でもっと働いてくれたら給料も上げるし君その能力あるよね、とか、お前能力足りないから給料下げるか残業して頑張るかどっちがいい?とか、そういう細かい生産性に応じた細かい評価と待遇の決定をしなければならず、また会社からすると繁忙期や閑散期に合わせた人の調整をしなければならないし、従業員側からすると休みたいときに休むための調整をうまくする必要があるし、仕事量が落ちたときの給与の補填も考えなければならない。そういった面倒さを全て曖昧にして解決するのが「残業してもいいよ」というコンセンサスなんだよね。
なので、仮に残業キャンセル界隈というものが成立するのであれば、その界隈の人間は一挙手一投足について厳しく管理監督される必要があるわけだよね。そんな面倒な界隈に所属するの止めたほうがいいよ。