novtanの日常

ネタです。ネタなんです。マジレスする人は撲滅すべき敵です。だからネタだってば!

はてな村反省会2015~炎上のコモディティ化とネットリテラシーのあり方

id:inumashさんのお誘いによって今年も行ってきました反省会。
中身については既に参加されたみなさんの内容に詳しいので割愛。ともあれ、inumashさんの華麗な進行がなければ20名弱の会合がとりとめのないものになっていたことでしょう。ありがとうございました。
id:kanoseさんもそうだし、その他の人の何人かもそうだけど、業界事情的な話が出てくると普段そういう界隈にいなかったり、イマイチ踏み込んで話をしない自分としては結構新鮮ではありました。「みんな知っていると思いますが」的な前フリから出てくる話が半分くらいしかわかんないww

個人的には非常に何もやっていない感の強い一年だったんですが(なにぶん仕事がアレだけに…)、それにしても、こういう集まりに出た時に強く感じるのはこれが訓練された結果なのかどうかというところですね。みなさん少なからず「匿名ブロガー」であることに自覚的であって(なお、ここで言う匿名というのは素性が一切明らかでないということは意味しない)、ウェブでの活動は見世物(戦う相手がいる時はプロレス)であることを意識していて、一線を超える場合も自覚的であり。触るな危険な人はなかなかこういう場には居合わせないことが多い(これは僕の意識的行動の面もあり)。

古参ブロガーの心の有り様を考えた時に、去年も思ったことだけど古参が古参である理由の一つは生き残っていることだ、というのがあって、それはそれで遅れてきた古参(心性は古参と大きく変わらないけどデビューが遅い)的な人もいるわけで、結局のところ古参が古参足りうるのはただ素質と行動によるものなのだ、という思いを新たにした次第。ただ、距離のとり方を失敗することで心性がまともであっても上手く行かないケースも見えてきます。これを経験が足りないというか、向いてないというかは難しいところだし、その経験の足りなさを最大限攻撃することが可能になったここ何年かのウェブにおいてはいわゆる古参になるところまで行き着くのは割と大変なんではなかろうか、と思うとPVやブクマ数に一喜一憂する新参ブロガーの人たちに危うさを感じるのも当然というところではないかと思うんですよね。3年ROMれとは良く言ったものです。

それとは別に「まるで成長していない」という人の話。こういう人は、ウェブにも、会社にも、そうでないところにもたくさんいるんだけど、そういう人たちが抱えている悪循環みたいなものがあって、その悪い部分を最大限肥大化させるのが自己評価の高さと現在の待遇とのギャップなんだなと思っています。ネットはその心の闇を簡単に捕まえてしまう。
とはいえ、こういう自意識の持ち主は案外しぶとく、炎上することに対しても鈍感なので生き残ったりしますね。

ともあれ、色んな物が炎上しやすくなったのはウェブの酸素濃度が上がってきたということかな。あるいはビニール袋のゴミは燃えやすいということかもしれませんが。火が点いた時に、場合によっては上手く消す選択肢を選べないかもしれないという人たちは不幸で、生き残ってきた(一応)匿名古参ブロガーは非を適切に認めるという点でベテランなんだよなーと。

とすると、ネットリテラシーって所詮経験値なのかという話にもなっちゃいますね。ウェブにきちんとした教科書(教義書なのかもしれない)がないことと、悪いこと(あるいは安直なこと)が短期的には一番利益になっちゃうという特性がウェブに備わっているという点からネットリテラシーと言うのは素質と経験から生まれるものだと思ってはいるんですが、さて。

「会ったらいい人」問題もあって、実際みんなが問題視しているような人たちもきっと会ったらいい人なんだと思うんですよね。僕だって古くはおぐりんとかノビーとか、会ったらいい人だったわけで、例えば変な話だけど「あのバカなことを言う大学教授」だってきっと会ったら良い人だからちょっとネットでおかしなことを言っているくらいでは辞めさせられないんだと思うんですよ。この会ったらいい人というかいい人だからいいんだ的な思考方法が難しくなってきたのはやっぱりこの人がどういうことを考えているかってのが会わなくても分かるようになっちゃったってところなんだよね。先に人間を知っていて、会って印象を得た時に、その印象がいかに心地よいものであってもそれは信用すべきではないし、かと言ってその印象はその人が本心を偽っているから生まれたわけではない(演技とはいえない)、ということも考えると、インターネットという装置は大変怖いわけです。繰返し、繰返しの付き合いからようやく得られるその人の本性というものがインターネットではその人から離れて独り歩きしている。
こうして文章を書いている僕というものが100%真実の僕ではないにしても、僕がリアルで行動している時の世界に与える印象よりよっぽど僕そのものである、というのはちょっと怖いことではあります。
逆に言うと、ネットで自分を演出している人は凄いし別の意味で怖い。ネットリテラシーっていうのは結局のところネットを通して人を見極める力そのものなのかな、とまで考えてしまう。

この可燃性の高いウェブで生き残るためのキーワードは自分を裏切らないこと(決して自分を信じる、ではない)、なのかもねと思う今日このごろです。