差別をテーマにした話は何度も書いてきたから今更繰り返し書くこともないかなと思ってはいるんだけどちょっとだけ。
性的なものがタブー扱い(特に青少年向けには)されがちなのは、それが社会的規範(というか、倫理的な社会構造かな?)を崩す可能性から合理性を見出すことは出来て、その合理性を倫理とすることで維持することに折り合いをつけているような状況と理解している。だから、性的産業への従事者は比較的容易に社会の敵あるいは必要「悪」と位置づけることができる。つまり、社会的には必要であると定義づけている一方で、あくまで例外的でマジョリティであってはいけないという枷を負わせている。このことが正しいのかどうかというと、現代の社会構造を維持するためにはある程度認めざるを得ない、くらいかなと思う(トートロジー的だが)。だから、そこからやってくる人には警戒をしなければならない、というのはわかる。これは社会的合理性の話であり、個人の内心の話ではない(といい切れるかは疑問だが一旦)。
んで、内心はぶっちゃけどうなの?みんなAV女優は汚いって思ってるのかな?おそらくだけど、
- お世話になりました(主に男性)
- 別に気にしない
- 身内じゃなければ…
- 関わりたくない
- 滅すべき
くらいのグラデーション(もっと細かいよね多分)はあるわけだ。ただ、前述の社会構造を維持するために積極的にそこの評価を「しない」ことが本当は求められていて、なかったものと扱うべきなんだよ、というのタブーというものの本質なわけじゃん。ということは、タブー扱いしてこの話題を避けている人以外は少なくともタブーと位置づけることをやめたと見なすべきだよね。
あれ、みんな本当にそんな覚悟あるんだろうか。おそらく、「気にしない」より下の人は直球で差別をすることになる。その場合って、上記の社会を維持することへの危機が迫っており、積極的に社会悪と位置づけていくことが必要、という感覚で発言をするってことだと思うんだよね。いや、その事自体はその前提における建前としてはおそらく正しくて、「進歩的ではない」。残念ながら人間の価値観や倫理観はグラデーションがあるものであり、そこには大なり小なり差別や差別に繋がるものがある(これはどんなに進歩的な価値観であっても個としての価値観である以上例外ではないんだけど)。でも、いつも進歩的風のこと言っている人が昭和の価値観に立ち戻ったかのような建前を喋りだすのはやっぱり違和感はあるよね。ましてや、内心を開陳するなど…
本件についてネガティブな意見がありそれを開陳したい場合、建前を守りたいなら建前だけでなんとか頑張って議論すべきだし、その結果として守旧派と位置づけられるくらいが正しい立ち回りだと思う。それが難しいなら沈黙していれば、自由で破壊的な価値観を持つ人達が自由闊達に議論しているのを眺めているだけで済むよね。