北海道の停電で顕になった話ですが、別にこれはデジタル決済に限った話ではなく、現金だってATM止まれば苦しいし、お店だって在庫を現金で売ることはできても仕入れが完全にシステム化されていてバックアッププランがない、となると厳しいわけですね。これANAが止まったときも同じ問題で、基幹系のシステム化で浮いたお金が非常時のバックアッププランを全く考慮していなかったらそれはそれで無計画ですよね。今どきシステムが止まったときのビジネスコンチで手運用でしばらくカバーする、が可能な業務がどのくらいあるのかね。
それはさておき、結局のところ、災害に備えてどのくらいまで対応を考えるか、というのは最終的には純粋にコストの問題になっていくんですよね。利用者の人は決済サービスの利用料ってあまり払っている意識ないかもしれないけど、そこはお店のコストとして価格に転嫁されているから、なんだけど、例えばクレカは手数料が高いから普及しないって文句も単純にカード会社がぼったくっているから、と言えない部分もあったりするよね。
だから、既存の電子決済サービス(手数料高め)すら停電でレジが死んだらなんにもできない程度には脆弱であるのに、最近の安く早く導入できる決済サービスって可用性の面ではもっと弱い可能性が高いよね。
問題は、「でも通常時便利だったらいいじゃん、非常時は代わりがあるし」というのはその「代わり」のインフラがコスト的に持たないから廃止される、ということにつながって結局非常時は何もできなくなるってことなんですよ。最初のほうで言ってたやつね。でも、どうせ非常時に100%大丈夫なインフラなんか無理なんだからそこは諦めて普段が安いほうがいいじゃん、という考え方もあるし、どっちかというとそのほうがよいとは思うんだよね。銀行なんかがシステムコストが高いのはそれじゃダメだと言われているせいもあるので、非常時は止まるのしょうがない、と思ってくれるのであれば既存の大企業のシステムについてもしょうがないって思ってほしいんだけど、そっちにはヘイトがたまり、ベンチャーのいい加減な決済システムはしょうがないと言われるんだったら10年後くらいには信頼できる決済システムがなんもない、ということにもなりかねないですけどね。
今の手数料が高いシステムは正しい、と言っているわけではないんだけど、ドラスティックに割り切っちゃってるシステムへの依存度が高くなるのも怖いなーっていう程度のお話です。