novtanの日常

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Chick Coreaを悼む

ありがとう、お疲れさま、としか言えないってのが正直なところなんですが、まあ色んな人が色んな面を語るのが良い追悼なんだろうと思うんでさっくり書いておいておきます。

Chickとの出会いがなんだったのか、もはや記憶の彼方ではあるけれども、作曲家としての彼の姿は学バン人が避けて通れないだろうウディ・ハーマンのナンバーもそうなんだろうし、僕が多分強烈に意識したのは当時バンドの中で「ジャズガラ」って言われていたPeter Herbolzheimer All Star Big Bandの「Jazz Gala Concert, Vol.2 」に収録されていたThe One Stepなんだと思う(ChickのオリジナルはFriendsの冒頭だね)。よく聞くと結構小難しい曲ではあるんだけど、なんというかね、例えばベイシービッグバンドの爽やかナンバーとはまったくもって方向性が違う、パッとしたものがあって僕自身は「ジャズってこういうのでもいいんだ」っていう扉を開く一つの重要な出会いだったと思うんだよね。

一般的には「あのSpainを作った人」みたいな認識だと思うけど、ビッグバンドでよくやられる曲は、La Fiestaもいい曲だけど、やっぱりLithaがとてもかっこよい(そして難しい)よね。ビッグバンドを入り口にジャズを始めてからは管楽器奏者のご多分にもれず?管楽器奏者を中心に聴くわけです。と言っても、トロンボーンなんてのは量的な意味でもマイナーだし必然的にラッパとサックスも聴かざるを得ない(結果としてビックバンドのボントロ吹きは物知りポジションなわけだ)。曲アプローチで色々聞いていくと必然的にStan GetzとやっているLitha(Sweet Rain…名盤だ)に出会うよね。StanはChickの若いときに随分目をかけていただろうけど、スタンダードばっか吹いてるくせにこういう難曲を完璧なアプローチで吹きこなすのがやっぱりすごいんだよな。ピアニストに対する嗅覚が半端ない人ではある。

そして色々聞いていく中で出会った「My Spanish Heart」に一時期完全にやられていました。なんだろう、これはまあいわゆるジャズではないなにかだと思うし、フュージョンと言ってしまっても良いんだろうけど、いわゆるジャズとロックの融合とは違う何かが沢山フュージョンしている、唯一無二のものだと思うんだよね。ジャズの世界の中で、そういう何かの象徴として輝いていた人だよね。