novtanの日常

ネタです。ネタなんです。マジレスする人は撲滅すべき敵です。だからネタだってば!

元首相を襲撃することに意味を持たせたくない人がたくさんいるようだが…

起きちまったことは厳然と受け止めるべきだし、僕たちが言うべきことはその手段は正しく「なかった」ということだけなんだよ。つまり、起きた事自体は認めざるをえないし、その事によってクローズアップされた問題についてはなかったことにはできない。人を殺すという行為によって引き起こされた、つまり、殺すことに効果があった、というのは純然たる事実であり、逆に言うと、客観的に言って問題のあることについてそこまでしないと問題として動かなかった、という事実が暗殺事件を起こした、ということを反省することによってのみ、その手段は正しく「なかった」ことを証明することができる。たしかに今回のトリガーは暗殺事件だったかもしれないけど、正しい民主主義的な手続きを踏んでも同じように解決として動く余地はあった、ということが証明されれば、それで初めてあの行為は全面的に否定できる。

もっとも、どうやらそうではなさそうであり、数十年に一度起きる衝撃事件(これは人が起こすものに限らない)によって世の中が是正される事例でしかなさそうだ。しかし本件でいちばん大事なのは「本当はそうじゃない。今回は結果的にそうなってしまったが、人を殺さないと解決できないなんてことはありえないんだ」ということをきちんと証明することだよね。そこまで行きつければ再びその手段は正しく「なかった」ということができるようになる。やっちまったことを手段が正しくないからそこで明るみになった問題ごと葬る、という考え方こそが民主主義の敵だよ。
だから、「容疑者を英雄視してはいけない」→「疑惑の追及を厳しくすべきではない」というのは全く正しくない。むしろ、自浄作用があることを徹底的に証明することが正しいよね。というか、それが機能してないから厳しく追求されるし、それを不誠実にかわしていると次の弾飛んでくるわけじゃん。いやマジでそういうフェーズだと思いますよ日本の政治は。

行為によってどの程度の効果があるかなんて相対的な話であって、「人を殺すほどのことではない」と判断されるからこそそう簡単に政治家が殺されたりしないわけでしょ。デモは一笑に付され、行政も司法も助けてくれない、みたいになったときに次に選択されるのが暴力であってもなんも不思議はないわけじゃない。日本(に限らずいわゆる先進国)は暴力は割に合わないよ、というのを制度としても思想としても整備することでこういう事件を減らそうとしてきたわけだし、そういうのをショートカットしてテロを起こすような集団は蔑まれる(=支持されない)わけだし、支持されないからこそテロするってのはあるかもしれないけどね。

起きてしまったことには取り返しがつかない程度には意味がある。英雄視なんて全くもって間違っていると思うけど、目をつむることはもっと間違っている。