novtanの日常

ネタです。ネタなんです。マジレスする人は撲滅すべき敵です。だからネタだってば!

鬼才、酒見賢一墜つ

早すぎんだろ…まだ60くらいなのに…

新潮が時代の流れからかファンタジー小説大賞なるものを創設したときによりによって第一回の受賞作これかよという衝撃デビューでしたね。もちろん、この「後宮小説」もそうだし、よく挙げられる「墨攻」も名作だと思いますが、やっぱり僕としては「陋巷に在り」を代表作としたい。妤カワイイ。孔子ものを孔子ものとして成立させつつその実ファンタジーであるってだけでも面白い(というか、はっきり言ってしまうと従前の孔子ものというのは非常に読みづらいというかなんというかなのにこれは表の孔子裏の顔回(ちょっと語弊あるか)で歴史の表側はちゃんと外さずに、最後までハラハラできるストーリー(まあよく考えたら孔子の障害って綱渡りだからそれだけでもハラハラ出来るといえば出来るんだが)でとても面白かったですね(ちょっと長いくらい)

基本的には寡作と言って良いくらいの作家だと思いますが、最後になっちゃうのかな…の「泣き虫弱虫諸葛孔明」がこれ非常に面白かった。三国志に対する愛がハンパないんですが、その愛はちょっと歪んでいて…基本的に演義をベースとしたお話で適度なツッコミを入れつつ人間の機微を書き出していきます。こいつのせいでもう孫呉のイメージは広島ヤクザから離れられなくなってしまったんですが謝罪と賠償…はもう無理ですね。悲しい。パリピ孔明を読んで違和感なかったのもこれのせいです。この孔明が現代に来たらまあそうなるような気がするわってね。

泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部/酒見賢一 - novtanの日常

さしもの鬼才も三国志演義の後半の盛り下がりをなんとかすることもできず、ピークは3巻だったとは思いますが完結まで行ってよかった。

もっといろんなネタを書いてほしいかった。早すぎますね…