novtanの日常

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JASRACに僕たちは何を求めるのか

今回の「音楽教室問題」については、JASRACが一方的に問題だ、というつもりはないんですけど、色々思うところはあります。

そもそもJASRACの仕事とは何なのか。

JASRACは、膨大な数の管理楽曲をデータベース化し、演奏、放送、録音、ネット配信などさまざまな形で利用される音楽について、利用者の方が簡単な手続きと適正な料金で著作権の手続きができる窓口となっています。そして、お支払いいただいた使用料は、作詞者・作曲者・音楽出版者など権利を委託された方に定期的に分配しています。東京にある本部のほか、全国の主要都市に支部を置いて、主にコンサートやカラオケなどの演奏について世界にも類をみないきめの細かな管理を行っています。
このような著作権管理業務に加え、著作権思想の普及や音楽文化振興などを目的とした講演会や大学への寄附講座、コンサ-トなどの音楽文化振興事業にも力を入れています。
昭和14年に設立されたJASRACは、著作物がデジタル化されネットワークで世界をかけ巡る時代を迎えた今、70年を超える実績と経験をベースにデジタル化・ネットワーク化時代の著作権管理のあり方を追求するとともに、そのルールづくりを担い、人々にとってかけがえのない音楽文化の普及・発展に尽くしてまいります。

JASRACの紹介 JASRAC

ここに書かれていることがどう実現されているか、ということがことの本質で、よく問題になる話は「簡単な手続きと適正な料金」が全然実現できてないじゃん、という部分に尽きると僕は思っています。例えば、たまーに生演奏をするレストランがどういう契約をしなければならないか、何ていう話が「人々にとってかけがえのない音楽文化の普及・発展に尽くしてまいります。
」とは到底思えない内容だったりする、というのはしばしば話題になりますよね。

大抵の場合、悪いのは「包括契約」であり、また、著作権切れまたはJASRACに委託していないものしかやらない、というのが証明できないから演奏するなら問答無用で払え、という「世界にも類をみないきめの細かな管理」という風に我々は理解しているわけですよね。月額なので、月イチの音楽イベント、とかが一番割を食うとかそういうように見えたりするので、そういった部分を「きめの細かい個別の管理」に出来れば実はそれほど文句が来ないんじゃないか、と思ったりもするんですよね。
一方で、いわゆるコンサート等の企画ものの方は手続きはそんなに難しくないし、まあ妥当かな、と思わなくもないんですが、依然として「JASRAC管理じゃない音楽だけでのイベント」とかが簡単に出来ないようにはなっている気がします。

とまあ、現実にいろいろな問題があって、法律上どうとかそういう話はさておき、僕達が感情的にJASRACをよく思わないという下地はこの10年でかなり共有されてしまっています。

だから、「デジタル化・ネットワーク化時代の著作権管理のあり方を追求する」するのが最後のフロンティアを開拓する、とかなっちゃってる時点でなんとも言えない気持ちになるわけですね。そうじゃなくて、もっとやることあるだろうと。払う側の論理としては、使ったものについて適切に払う、ということに異論を唱えているわけではなく、実際に使ってようがなかろうが興味ないみたいなところがダメだなあと思うわけです。払った金が演奏した曲の関係者にちゃんと言っているかどうかすら定かではない(というかダイレクトには集計されていないのは様々な話を総合すると確実)ということですからね。

別にJASRACがぼったくってるとか、本来の目的を果たしていないとかそういうことを言いたいわけじゃないんです。でも、21世紀ももう16年経過していて、いつになったら僕達のイメージするきめの細かい管理になるのか、そういうことを改善するべきと思っているのかどうか、そういうところが見えない以上、「音楽文化の普及・発展に尽くして」いることに疑念を抱いてしまうんですよね。