novtanの日常

ネタです。ネタなんです。マジレスする人は撲滅すべき敵です。だからネタだってば!

作品の批評と作品で描かれているテーマの批判は違うよね

tyoshiki.hatenadiary.com

別にここに書かれていることが間違っている、とは思わないんだけど、今このハラミ会なるものが議論を読んでいるのは別にこのマンガや作者を批判したいからではない人が大半である、ということは認識しておきたい。

世の中で論じられる話というのは特定の問題であったり、その問題の背景に横たわる問題だったりするんだけど、ここで顕になった(ので、作者が意図するかしないかにかかわらず)問題が作品から独立して論じられる、というのは当たり前に発生することだよね。もっというと、作者がマンガとしてのオチをつけていたとしても、それが作者の想いである、とは限らない。むしろ、この手の話は「社会に潜む問題をあぶり出す」と捉えられることのほうが多いのではないかなーと思ったりもする。純粋にギャグマンガとして描かれたマンガが世相に対して強く批評性を持つ、というのも極々一般的に起きる事象ではないかな。

だから、今回の話も「元の絵がギャグマンガからの切り出しなんだから文脈を考えろ」みたいは話は、「ふざけんな作者死ね」くらいの的外れな批判をしている人向けにしか有効ではないよね。まあ「これだから男は」みたいにマンガの部分を叩いてるアレな人は「残念!作者女でした!間違って軽薄な男叩きしてやんのバーカバーカ」くらいは言っても良いと思うけど。

何の気なしに提示したものであったり、過去の文化の中で当たり前とされていたものの記録だったり、そういったものが社会問題をあぶり出す端緒になる、ということと、作品そのものの価値はまた独立したものでもあるし、例えば今サザエさん(原作)読んだらまあ大概だよねーと思う価値観が多数提示されているし、そういうのを見ていると「未だに日本は昭和か」と思ったりもする(つまり、これは読む側の我々が少なからず変容しているし、それがまだ過程であることを思い起こされるという新たな発見をしたと言うことだ)。

ギャグ漫画(サザエさんだって本質的にはそうだろ)なんてのは読み手の感情に波風を立たせることが重要なんだから、余計に部分を切り取ったときの破壊力はあるよな、とも思う。繰り返しになるけど、それを作者批判につなげるのはナンセンスだけれども、そこから読み取った社会の問題を論じる、というのは大いにやるべきだと思うよ。