novtanの日常

ネタです。ネタなんです。マジレスする人は撲滅すべき敵です。だからネタだってば!

エンジニア足りない問題202207

anond.hatelabo.jp

この増田が言っていることは結構重要で、フリーランスを謳歌している人の落日が迫っている(それをやべーと感じているけど自分はまだ腕っぷしで喰ってけるとは思っている)ということだよね。

まあ、SIerがフリーランスを雇えない、なんてことは全然ないんだけど(現に雇って仕事しているし)、やっぱりSIの仕事はある程度数で動く仕事の部分も多いので、3人で動くPjTとかならともかく、20人とか動くプロジェクトで5人フリーランスとかだと体制面では厳しいわけだ。管理コストかかりすぎる。
それはさておき、フリーランスの業歴なんて当てにならんし、実力は稼働してみないとわからないことが多い中で、人月単価が80とか90とか平気で言ってくるわけで、まあ90以上の人だったらマッチするかしないか逆にわかりやすいけど、70とか言われるとまた超微妙でなんかスクールとか所属のエージェントに言わされてる感あるけど行ってみるか、とか思って採用するとこれが社会人としての基礎はないわ日本語能力が中学生レベルだわコーディング能力0(コピペで動くもの作れます、は0と言っていいだろう)だわ環境構築も手順書なしでは何一つできないわ、みたいなのも日常茶飯事で、それ50万でも高くね、みたいな人が平気でやってくるわけ。

仕事の価格は需要で決まる、とは言うけれども、求められる業務内容が実行できることがやっぱり最低限の条件で、生産性0の人にいくら人手が足りないからと言って高い金を払う訳にはいかない。逆に言うと、生産性が0.1の人は価格が10分の1であれば、場合によっては(場合によってはだよ)雇える。生産性が1の人の価格が上昇することは需給の問題としては正しいし、払う気も起きるってものだが、それにつられて生産性が低い人の価格が大幅アップ、というのはやっぱりおかしくて、それくらいだったらエンジニア足りないです、本当にいないんです、のほうがだいぶマシですよ。業界全体で人手不足で仕事を断ることが続けば次第に本当にデキる人の地位や単価は向上するし、その結果としてちゃんと見込みのある人が業界に入ってくるだろうし、その結果としてちゃんと仕事ができるようになる(これは理想論であってそううまくいくとは思わないけど)。

まあつまり、需要に対して急激に「人材」が必要になっているのに仕事を取りたいがためにそれを「人数」に変換しちゃっているSIerの悪しき慣習(これ、大手ベンダーの中でも対応が割れているところだと思うけど、もともとの巨大な現場体質から抜けきれないPMなり事業部長みたいなのがいるところはマジで業界の現状わかってんのか、みたいなアクション取るところも多い)によって、正常化されない。そのせいで「内製化」ってキーワードが流行ってるけど、システムが会社の事業構造の中である程度の規模コストをもっていない会社で内製化チームなんてお荷物だぜ…(逆に小さいからこそできる部分はあるけど、完全に個人に依存する危うい経営になる可能性も高い)

そもそもが、何度も言ってるけど、自由な働き方に憧れてスクールちょっと通ってフリーランスでござい、ってのはほぼ通用しない。雇う側は雇われる方の働き方なんて正直どうでも良くて、求められる生産性を出してもらうことが契約条件なんだよね。正直「お前が謳う自分の実力通りの生産性を出せば週2程度で済む仕事」を1/10の生産性しか出せなくて無理です辞めますとかこっちからすると話が違うじゃねーか、なんだよ。まあ今やリモートで働くことが多いからこっそり自分で自分を時間使ってフォローしてくれるんなら何も言わんけどさ、それすらできなくてお約束している生産性が出せない、なんてのは仕事を舐めてるわけよ。
会社に所属して週5で働きたくないから、みたいなメンタルだけでフリーランスやるのマジで厳しいよ。それって「フリーターエンジニア」だよね。だったら時給1200円くらいでどうですかね。え、楽して稼げるからやってるんだって?世の中そんなに甘くないよ。

まあこの手の烙印を押された人はどんどん条件悪くなるし、紹介される現場もたらい回しだし、どこかで怖い人に詰められてこの仕事辞めちゃうんだろうなあ。
これはフリーランスを組織しようとしている人売りの会社も邪悪だと思うけどね。

幸いなことに、最近若くてやる気のある協力会社の要員や中途採用した社員を現場に入れる機会が多くなってる。真面目で純朴でITの仕事楽しいからやってますって感じで順調に育ってるし独学ではなく体系的な知識を教えこんで実践して育てる、という機会をきっちり活用できている。ぶっちゃけプログラミング、で喰える人はよっぽど尖っていて探究心があって頭も相当いい、という条件じゃないとだめだと思うけど、顧客の要望を捉えてシステムとして実現する、という仕事をある程度こなせるレベルであれば現場と座学で中期的に教育すれば本人のやる気次第である程度まではみんな到達できると思ってるんだよね(もちろん、気質とやる気の問題で脱落する人はいるけど)。いきなりフリーランス、みたいなのってその「教育してもらえるメリット」を自ら放棄しているんだから、一端のエンジニアになるための個人的努力はSIerに所属している社員よりも遥かに必要だし、まあそういう教育まどろっこしくて俺は自分でちゃんと身につけるぜ!って人は大成する可能性はある(独りよがりになって現場でなんだコイツってなるリスクも有る)けど、それすらもめんどくさいから会社に所属してないみたいな人はそれ我々からするといらない人なんだよなあ。

(変な)フリーランス雇うくらいなら、若者育てたほうがマシ、というのが最近の僕の結論です。