泥仕合続きだった大統領選も最後の局面でまさかの結末を迎えた。
今回に関してはどっちを選んでもなんかこう明るい未来を感じさせるものがなかったというのが大きな問題のように外野からは見えた。そもそもの候補者選別の仮定において、なんとなく消去法でしかなかったのがそもそもアメリカっぽくなく、本邦での先の都知事選に近い何かを感じでしまった。8年前、オバマが大統領に選ばれたときの熱狂はそこにはなかった。
なんとなく、社会に閉塞感が蔓延しているようになってしまっていることは誰かに原因がある話ではないんだろうけど、ここ何十年かの社会が必死で押さえ込んできた平和を脅かす何かはイスラム国、Brexit、そしてトランプ大統領という一連の出来事で表出してきてしまっているかのようだ。日本においてもそれは例外ではなく、致命的な域に達していないのは単に大災害の爪痕が癒えないからでしかないようにも思える。
アメリカの大統領選挙の方式は僕達から見るととても奇妙なものだ。アメリカという国が「合衆国」であることは都道府県が単に行政上の線引きでしかない現代の日本人にとってはよくわからないものに見える。少なくとも、合理的ではないように。結果として、得票数と当選結果があべこべになるということも過去には怒っているけれども、今回に関してはそういった部分も含めてトランプの圧勝だった。事前の調査とはあべこべに。これがアメリカ市民の選択であるわけだけど、その内訳を見るとやはり今回は中年以降の白人層が主役の選挙だったということも見えてくる。つまり、「マジョリティーよ立ち上がれ」だったわけだ。
この選択が本当に彼らにとって希望を与える結果になるのか。どうもそういう風には見えないように思えるけれども、結局のところヒラリーは彼らに絶望しか与えなかったということなのだろう。