novtanの日常

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ニーズは死んでよいのか

新年早々なかなかおもしろい記事を読んだ
「ニーズ」に死を:トランプ・マケドニア・DeNAと2017年のメディアについて|WIRED.jp

結びの言葉は辛辣。

「ニーズ」という言葉が嫌いなのは、結局のところ、そこになんの「信頼」も「期待」も賭けられていないからなのだろう。

ITのビジネスもいわゆる人間系事務作業の置き換えという仕事はメンテナンスサイクルに入っていて、やれマーケティングだニーズの掘り起こしだとそういう方向にシフトしている。と言っても、そこで見つかる「事実」に競争力があるかというと、判で押したような商品が並んだ挙句、そこにコミットしなかった人の提案が唯一無二のものとして珍重される、すなわち、情強が敗北する世界、が近づいているのかもしれない。もっとも、結局のところそれもニーズなんであろう。

イノベーションがニーズから生まれ得ないかというとそんなことはなく、人間の試行錯誤の動機とは何か、と考えたときにニーズがその答えの一つであることは間違いないだろう。言い換えれば、イノベーションとは欲望という強い動機から生まれることがある。ニーズに合わせて儲けるためにはどうしたらよいのか、そういう知恵を絞るのも一つの方向性だ。これは、別の動機(社会を良くしたい、何かを救いたい、歴史に残りたい)と強さの面では大差ない。

ところで、こういう「強い言葉で既存の価値観を切って捨てる」という記事もわりと「読者のニーズ」に迎合している記事と言えてしまうあたりがこの記事の自家撞着感が垣間見えて面白い。