そんなEvilなサービスは止める!
出落ちでした。
真面目な話、この件で会社の対応を批判している人は会社が悪いって思っていませんか?実際にはそういうことではないと僕は思っています。すなわち、これはサービスとしてのビジネスモデルが構造的に悪いので、改善のしようがない話ではないかと。
Uberが最初登場したときって、通勤で空いているあなたの車のシートを活用してみませんか、だったんですよね。これはAirbnbなんかも似たようなコンセプトで、つまり、専業を雇う話でも、会社として部屋を借り上げる話でもなく、全てが提供者と利用者の善意を当てにしたサービス(これは仲介側としてはツールを提供するだけであとはよろしくなのでうまくいくのであればwin-win-winという考え方自体がEvilであったわけではない)ですよね。
このビジネスモデルに根本的に問題があるのは、その特性上、既存のサービスより安く提供せざるを得ず、かつその安さが既存のマーケットを壊すことによって、本来この仕事で得られるはずの報酬の相場を壊すことです。サービスの質は報酬の相場で成り立っている部分もあるので、この手の「破壊的イノベーション」が本来(良い悪いの概念以前に前提として)必要なサービスを提供しないことでマーケットの破壊を行ってしまうと世の中の仕組みまで破壊されてしまいますよね。
どうも、世の中には必要があるからやっている「規制」を忌み嫌う向きが居て、そういう人たちが利権だなんだと叫ぶこともよくあります。もちろん、規制の実態が利権になっているものがないとは言わないです。実際にそういう事例があるからこそ規制への批判が成立するんですけど、何でもかんでも不要かというとそうではないもののほうが多いくらいですよ。規制を緩めたらタピオカ屋レベルの速度で市場がぶっ壊れて、ブームが去ったあとに何も残らなくて元々の利用者が不利益を被るわけですね。
エンドユーザーたる我々において、ビジネスの正しさをとやかくいうのは難しいところはありますが、便利だし、良くなってほしいというポジティブな応援だけではなくて、社会の問題として、自分自身が多少不便になったとしても本質的にEvilなサービスに積極的に加担しない、という意識はあって良いと思うんですよね。そんなの知らねーよという人も多いと思いますけど、2年3年経ってあれおかしいな、となるのはそういう人なんじゃないかな。
Uber Eatsの問題が配達員の集め方(すなわち待遇)の問題だとして、それを改善して配達料が2000円とかそれ以上になっても使いますか、というあたりがこの話の本質なんです。